あのミノキシジルを超える実験結果が出たと話題の頭皮の美容液「be Answer」
その誕生の経緯について、テイカ製薬の開発者にインタビューしました。
この頭皮美容液の魅力はなんといっても「製薬会社が作った」ということ。製薬会社として培ってきたノウハウが化粧品の開発を手掛ける大きな力になったとのことでした。
ただ、化粧品として販売できるようになるためにはいろいろと苦労もあったようで……。開発者の思いとともにbe Answerの誕生秘話をご紹介します。毛髪のケアに失敗しやすい人の特徴もちゃっかり聞いてきましたよ!
開発ストーリー
シモンコライトは当初まったく別の用途のはずだった
まず、be Answerを作るきっかけを教えていただけますか?
3年前、大手鉄鋼会社の子会社から、テイカ製薬に「シモンコライトという物質で褥瘡(じょくそう)の薬を作ってくれないか」と打診があったのが始まりです。
ジョクソウ???
床ずれのお薬ですね。テイカ製薬は軟こう剤や点眼薬を主に作っている製薬会社で、以前から褥瘡の軟こう剤を開発し、製造してきました。
あ、なるほど。そしてまた知らないワードが出てきました。シモンコライト???これはどういう物質ですか?
シモンコライトは亜鉛などを含むセラミックスで、半導体を合成するときにできる中間生成物です。JFEミネラルという鉄鋼会社の子会社と山形大学との共同研究でシモンコライトが傷の治癒に効果があったという実験結果があり、それで依頼があったわけです。
褥瘡の軟こう剤として依頼があったのに、どうして頭皮の美容液になったのでしょうか?
まず、褥瘡の軟こう剤の開発は、難しいと判断しました。実は近年、医療現場で患者さんへのケアが進み、床ずれが少なくなり市場が小さくなってきました。
これは、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ 生活の質)が向上したため、喜ばしいことです。
褥瘡のお薬としては難しいですが、「傷を治す」という実験結果を詳細に調べている過程で、他の用途にも応用ができるのでは、とひらめきました。
それが頭皮美容液の開発につながりました。
褥瘡の軟膏の開発はしないとしても、それを化粧品に、とはすぐ思いつかないですよね。もともと化粧品も手掛けていたんですか?
いえ、その時はまだ手掛けていませんでした。テイカ製薬は皮膚と目の薬づくりを強みとして持っていて、それを生かせるような周辺領域への展開を考えていました。
そこでちょうどシモンコライトの話があり、ひらめいたわけです。褥瘡ではなく、頭皮に応用できないかなと。
頭皮の化粧品にしたのはなぜですか?
山形大学の実験では皮膚の再生だけではなく、毛包の再生にも効果があることがわかったんですね。「シモンコライトは髪の毛の悩みにアプローチできるんじゃないか」と考えて、シモンコライトを配合した頭皮のスキンケア商品の開発にとりかかりました。
開発途中に反対される
開発は順調でしたか?
実は、社内で反対者が出て……。
えっ!
シモンコライトの化粧品開発を進めていたのですが、ある日、「製薬会社が化粧品なんてやらなくていい、そんなのやってどうすんの?」と言う人で出てきて、一回頓挫しかけたんですね。
おお……それはショックでしたね。それでもあきらめなかったと。
テイカ製薬の強みであるドラッグリポジショニング(後述)の手法で、いろいろなお薬の開発を進めていましたので、シモンコライトも負けないぐらいのポテンシャルがあると感じていました。
そこで、反対する人も納得してもらえるような実験結果を出さないとと、頑張りました。
その後、動物実験で予想以上のよい結果を報告したところ、反対していた人が「これはすぐにでも発売するべきだ!」と言い出して(笑)
髪の毛を気にされる人だったのが、良かったのかもしれません(笑)
それは良かったですね。髪の毛が生えれば医薬品でも化粧品でも関係ないですからね(笑) 事業開発部にはどんなメンバーがいるんですか?
開発チームも化粧品業界出身のメンバーやコンサル経験者、デザイナーなど外から入ってきてもらっています。
日々、新たなことにチャレンジしていますので、楽しいですね。
ドラッグリポジショニング~化粧品としての探求~
テイカ製薬はどんな会社ですか?
テイカ製薬は昭和20年創業の富山の製薬会社です。ドラッグリポジショニングを得意としていて、研究を続けてきた会社です。
ドラッグリポ……??すいません、教えてください。
ドラッグリポジショニングですね。既存薬再開発とも言われています。既存の医薬品を活用して、当初予定した疾患とは異なる疾患の治療薬として転用する開発手法です。例えば、飲み薬を皮膚の薬に転用するなどがそうです。
そのドラッグリポジショニングの技術が化粧品開発に生かされたということですか?
はい。軟こう剤として使われていたシモンコライトをスキンケアの化粧品として転用するために、様々な実験をして可能性を探求しました。
その中で育毛剤によく使われているミノキシジルよりも毛の伸長促進作用があるということが実験で明らかになりました。
ミノキシジルという成分よりも毛が伸びた、ということですか?
最初はミノキシジルと違う作用機序なので、混ぜるとより効果が出ると予測して実験したのですが、シモンコライト単体でミノキシジルより髪が伸びたんです。
いろんな実験をしたんですね。
成分を理解して人間のどういう細胞レベルで効果があるのかを解明していくということですね。それだけでなく、論文の調査、動物実験や試験管の中で効果を調べるなど、こういったことができるのは、製薬会社の強みだと思っています。
医薬品や医薬部外品ではなく、「化粧品」として販売するのはなぜですか?
医薬品や医薬部外品の認可を受けるには時間もお金も多くかかってしまうんですよ。もちろん医薬部外品としての登録も目指しているのですが、「化粧品」として届けることで、みなさまにいち早く、手に取りやすい価格で提供しようと考えています。
化粧品であっても医薬品並みのクオリティを持っているということですか?
「be Answer」は化粧品ではありますが、医学的知識のもと、エビデンスをしっかりとって作られています。そこは製薬会社の強みだと思っています。
成分を特許技術で微細化し使いやすく
化粧品として売り出すうえで大変だったことはどんなところですか?
シモンコライトが水に溶けづらいということですね。水分と混ざると沈んでしまうんです。これだと化粧品として試験に合格できず、出荷できません。
そこで、シモンコライトを溶かすのではなくて、小さい粒にして液体に分散させる方法を用いました。
小さい粒ってどれくらい小さくしたんですか?
300ナノ以下まで微細化しました。また、細かくするだけではなく粒の大きさを揃えることもしました。そうしないと、頭皮にぬると白くなり、ざらざらになってしまいます。ここまで微細化して使える状態にしたのはとても苦労しましたね。特別な機械で微細化したシモンコライトはテイカ製薬の技術なので、そこも特許を出しています。
そこまで細かくすると振る必要はないんですか?
はい、液体にまんべんなく含ませることができました。パッケージはパウチタイプにして、手の平に出して使う形にしました。振る必要もなく、使いやすいテクスチャーになったと思います。
be Answerの4つのこだわり
be Answerの特徴を教えてください。
実は大きく4つのこだわりがありまして……
シモンコライトへのこだわり
まず、シモンコライトという世の中でまだ使われていない成分を使っていることです。
シモンコライトの主成分である亜鉛イオンは毛包を強く深くする作用があります。毛包を強く発達させることで、毛が生えやすくなる環境をつくることができます。
配合量へのこだわり
化粧品には「1%ルール」というものがあって、有効成分が1%あれば「たくさんつかっている」とうたうことができるんですね。
しかし、私たちの商品は、有効成分を2%使っています。非常に高濃度に成分が入っています。
3つのバランスへのこだわり
次に3つのバランスを大切にしているということです。3つのバランスとは、毛髪に良い有効成分、保湿効果、保水効果の3つを指しています。
市場に出ている他社のスカルプ美容液などを調べると、毛髪に良い有効成分はあっても保湿が弱い、あるいは保湿や保水をしっかりしているのに有効成分がほんのわずかなど、バランスが十分でないことがわかりました。
バランスよく成分をいれることで効果も十分期待できながら美容液なのにクリームくらいの保湿を実現させています。
香りへのこだわり
モニターで利用している方からも好評だったのが香りなんですよね。
はい。髪の悩みが起きる原因としてストレスがあげられます。be Answerでは抗ストレス作用のある香りをブレンドしました。癒し効果も抜群です。
環境にもお財布にもサステナブル
初回980円、2回目以降は3,960円と、価格が抑えられていますね。この価格が実現した背景をおしえてくれますか?
有効成分として含有されているシモンコライトは、半導体の生成の途中でできる、いわば副産物です。そのため比較的安く手に入れることができます。
パッケージも無駄なものを使わず、外装箱も古紙をつかっています。また、医薬部外品ではなく、化粧品として売り出したのも価格を抑えるためでした。
とにかく手に取っていただきやすく、続けていただきたい、という思いがあります。
効果を感じられない原因は?
やはり様々な育毛ケアで効果が出ない、という人は「続けられない」のが原因としてあるのでしょうか。
1カ月くらい続けて効果がなかったとやめてしまうんですが、短期間では髪は生えてこないんですよ。発毛サイクルというのがあって。
発毛サイクルはどれくらいなんですか?
一般的に、発毛サイクルは半年周期と言われています。髪に悩まれている方は周期が安定していないことが多いので、発毛自体はやはり時間がかかります。
短期間で効果を期待してしまってもダメなんですね?
はい、少なくとも6カ月以上はかかりますし続けないと効果を感じられません。
続けることで効果を感じてほしい
継続して使用していただきたい、ということですが、どれくらい続けると効果を感じるようになりますか?
伸ばすためには少なくとも8カ月から10カ月の継続をお勧めしています。
生えるだけでなく伸ばすことに着目してるんですね?
はい、大事なのは生えてきた毛を伸ばすことです。シモンコライトは毛包を深く、強くする働きがあり、毛包が強くなると髪が伸びやすくなります。しかし途中でやめてしまうと、せっかく生えてきた毛が産毛のまま抜け落ちるということになります。
せっかく生えてきたのに抜け落ちたらショックですよね。生えている髪にもよい効果はありますか?
はい。頭皮の環境改善がおきるので、すでに生えている髪にボリューム感が出たと感じられるかたも多くいらっしゃいます。
早い人だと6カ月ほどで髪にコシやツヤを感じるようになった人もいらっしゃいます。女性の方では静電気が減ったというご感想もいただいています。
そうなんですね!ちなみにこの商品を詳しくみたい場合は、どこから見ればいいんでしょうか?
商品の情報を載せておきますね
―――――ありがとうございました。